端唄 春雨
- 新水会
- 2020年11月3日
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web(というかデジタル全般)担当が日々のお稽古のことを綴ります。
端唄「春雨」
〽春雨にしっぽり濡るる鶯の 羽風に匂う梅が香や 花にたわむれしおらしや 小鳥でさえも一筋に ねぐら定めぬ 気は一つ わたしゃ鶯 主は梅 やがて身まま気ままになるならば サァ 鶯宿梅じゃないかいな サァサ なんでもよいわいな
惚れた相手一筋に、いつか一緒になれたらば…といった趣旨の歌詞ですが、「ねぐら定めぬ(定めない)」で「気は一つ」とは言えないのではと、納得しかねていました。
というわけで、久しぶりに古語辞典を開いてみました。 古語としては、定めぬの「ぬ」は否定の助動詞ではなくて、「わが待たぬ年は来ぬれど(来てしまったが)」「日暮れかかりぬれど(暮れかけたが)」といったような、動作が完了した意を表すことが多いようです。確かにそのほうがしっくりきますね。
閑話休題。「春雨」の作詞は柴田花守という幕末の小城藩士であることが知られています。小城藩は現在の佐賀県の真ん中あたりにありました。長崎勤番の時に創ったのでしょうか、長崎の有名な茶屋「花月」に記念の石碑があるそうです。 ところで、小城…と聞くと私が思い出すのはお相撲さん、小城ノ花という力士です。私が現役時代を知っているのは小城ノ花(出羽海親方)&小城錦(中立親方)の兄弟力士ですが、九州出身ではなかったような気がします。調べてみると、お父さんが小城ノ花という元幕内力士で、小城市出身なのだとか。
ものすごくニッチな知識がまた一つ増えました。
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