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新水会

小唄 濡れてみたさに

燕が飛び交う季節になってきました。

新しい曲のお稽古が始まっています。 


濡れてみたさに 


〽濡れてみたさに 燕(つばくろ)は 

 柳の葉陰を くぐるではない 

 アレあの羽交で すういすいと 

 夏の気色を運ぶとさ  


羽交とはいわゆる「羽交い締め」の”はがい”のことで、

翼の付け根または翼そのものを指します。 


銀座の柳を行き交う燕が夏の気配を運んでくる、という描写です。

「濡れる」とは色事を指す言葉でもありますので、晩春(初夏)の銀座を背景にほんのりと艶やかな風情が重なって、これぞ小唄と言えるとても素敵な曲です。


燕の姿や飛ぶ様もスマートで、軽やかな初夏のイメージにぴったりです。

いわゆる「若いツバメ」という言葉は、平塚らいてうの年下の恋人が、手紙の中で自身をそう表現したことが始まりと言われています。”雷鳥(らいてう)”に呼応した”ツバメ”との意図でしょうか。確かに魅力的なボーイフレンドが”スズメ”や”カラス”では様になりませんね。


ただし私の場合、「燕(つばくろ)」と言うとどうしてもヤクルトスワローズのマスコットを思い浮かべてしまい、曲の雰囲気をうまく出せないのが目下の困り所です。

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下浚い

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